健保組合からの高額医療費と埋葬料

(1)高額療養費について

 高額療養費を相続開始日前日に被相続人が受け取った場合には、その金員は相続開始日現在の預金の残高に含まれ、相続税が課税される事となります。

 また、相続時には未収金として被相続人の相続財産として存在します。

 これは、高額医療費が医療を受けた健康保険の被保険者に対して支払うものであり、本来、還付金を受け取るのは被相続人さんとなるためです。

 同様の趣旨から、障害のある方に対して市区町村から支払われる福祉手当の未支給分も本来の相続財産となります。

 ご承知のとおり、高額療養費の支給を受けても所得税は課税されません。健康保険法に「保険給付として支給を受けたる金品を標準として租税その他の公課を課せず」とありますが、これはその所得に対する課税の事を指しているのではないでしょうか? 相続開始前に受け取る場合と、開始後に受け取る場合とで取扱いが異なる事は不合理であるため、相続財産に該当するものと考えます。

 

(2)埋葬料について

 

 健康保険法に規定する埋葬料については、相基通3-23(7)において弔慰金等と同じように退職手当金等に該当しないものとして規定されており、相続税は課税されません。

 したがって、埋葬料については被相続人(被保険者)死亡により相続人その他の者が受け取るものとなり、被相続人の固有財産でもありませんので、遺族の財産(所得)になります。

 

◎ちなみに、未支給年金は?

 未支給年金とは、生前に受け取るべき年金を相続開始後に遺族が受け取ることです。

 年金は、偶数月にその前月までの2ヶ月分が振り込まれますので、必ず未支給の年金が発生します。

 これらの年金を遺族が受け取った場合には、相続財産ではなく遺族の一時所得となります。

 これは、未支給年金の請求権が、国民年金法の規定よって遺族の固有の権利とされているためです。